私と子ども劇場(ひっとべ!33号より抜粋)
幼かった我が子に劇を観せたい、色んな経験をしてほしいと私の意志で入会したのが十数年前。やっと授かった娘が愛おしくて愛おしくて、出かけるところは私にとって安心安全なおじいちゃんおばあちゃんちと近所の公園、すっかり箱入りだ。劇場に再入会した小学生以降はうってかわり、色んな場所で色んな体験をと気乗りしない娘を劇場の活動に連れ回した。これも私の意志だ。そう、私は「この子のため」と勘違いして私の意志優先で子育てしてきたのかもしれない。娘が落ち込むことがあると私の心もどんより。娘のために「やってあげてる」という自己満足。そんな自分自身に気づかせてくれたのが、子ども劇場なのだ。
娘はといえば、今は高校生になり、劇場で変わってきている。ある夜しみじみと「ママが無理やり遊びの輪に入ってきなさいと言った時は嫌だった。今は自分が遊び会企画して、入ってこない子どもたちには気持ちをきくようにしている」と。過去の娘にわびた。子どもはもちろん、私自身も感性をとぎすまし、真実は何かを学び感じさせてくれる場が私にとっての子ども劇場だ。子どもたちの明るい未来を軸に考え、活動していると「人間力」を育ててくれている気がする。
かごしま中央子ども劇場 柴立和恵
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