お芝居は脳の発達にいい


スポーツは、体にいいと誰もが言う。でも、お芝居が子どもの知性、想像力など人格の基礎を育てることは知らない。

私は、日本人の子育ての知恵のなかで、「三つ子の魂百まで」という諺が一番子どもの育ちの確信をつく言葉に近いと思っている。最近、魂という言葉は、日常的には使わないけれど、明治生まれの祖母がよく小さいころ使っていた。「この子は、魂が入ってきた」など、魂という言葉を表面的な身体に対して心の神髄をなすものとして、使っていた。3歳までに、魂ができれば、それは、一生の宝となることを昔の人たちは知恵として知っていた。だから3歳までの育ちを村全体で見守り、わらべ歌や昔話などで子どもの心を耕してきたのかもしれない。

お芝居を観ることは、AI社会に向かう中でますますハードルは高い。だからこそ、逆にこれからのAI時代に想像・創造力などが最も必要な力となる。そして、その力を一番高められるのは、舞台をみることなのだ。

お芝居は、ひとりでは観ることができない。多くの観客がいて成り立つ空間である。

お芝居は、自分で選んで足を運んで時間を作っていかなきゃいけない。

お芝居は、そしてお金もそれなりにかかる。

お芝居は、会場に行って知り合いがいることでワクワクする。(子どもは特に)

お芝居は、そして、知り合いがたくさんいた方がもっと楽しい。

お芝居は、あっという間に終わる。1時間弱から2時間まで。

お芝居は、誰かと見た後、話したくなる。

お芝居は、それぞれ感想が違う。見方も違う。人間は、違いがあることを知る。

お芝居は、それでも、観客でひとつのことを共有体験できる。

お芝居は、ワクワクドキドキ感がとまらない。

お芝居は、家族みんなでいけば、いつまでも家族の歴史の宝になる

お芝居は、たくさんの人で作られる作品である。一期一会の出会いとなる。二度と同じ舞台はない。観客も違えば、場所も違う。

お芝居は、ロビーでたくさんの人と話せるし、久しぶりの出会いを楽しめる。

お芝居は、音楽、美術、舞台、脚本や物語、衣装、照明、観客の数、わくわく感

     役者の数、アンサンブル、セリフ、歌、ダンス、動き、ステージング

     脳をフル回転しなきゃ見られない。だから、総合芸術なのだ

お芝居は、ある程度みる訓練が必要。0才からがおすすめ。彼らの全身で、全感覚を使って受け取る力にいつも驚く。

お芝居の世界は、

想像・創造力・豊かな感覚【五感】の体験、集中力、自己肯定感、役者と同じ気持ちで心が動く。コミュニケーション力を養う。0才から社会を知り、知らない世界を知る。心を脳を育てる材料がここに百花繚乱のようにある。3歳までに脳神経の基盤が80%出来上がるといわれるときに、この力は、偉大だと思う。シャワーのように文化芸術に触れさせたい。

11月にあった人形劇「おしいれのぼうけん」みたいに、怖いお芝居では、子どもたちがとなりの子どもと肩を寄せている。お母さんの隣に走る。怖さを、1時間ほどで乗り越えた子どもたちは、誇らしく会場を出ていく。きっと、その子の自信につながったのだと思う。

鹿児島県子ども芸術祭典で薩摩半島の南の地域を回るむすび座の「どんどこももんちゃん」では、じっとしてられず、いっしょに動きだす子もいる。身体の動きが心の動きになっている。大笑いしながら、みんなをみている。「カミナリカレー」では、おじいちゃんに気持ちを寄せる。しーんとしたり、涙ぐんだり、笑ったり、怒ったり、日常生活には、ない様々な感情が押し寄せてくる。それも、たくさんで膝突き合わせてみるから、うねりの波となって会場に押し寄せる。子どもたちの力と大人の力が押し合いへし合って会話も弾む。

「物語」は、はじめがあって、必ず終わりがある。そのはじめとおわりがある舞台をたくさん実体験すると人生で辛い悲しいことが何か起こったとき、困難にぶつかったとき、必ず終わりがあることを知っている子になる(甑島の児童文学者斎藤きみ子さんの話より)

また、鹿児島県子ども芸術祭典で鹿児島市内及び北地域を回る風の子九州の「にっこりぽっかり座」は、笑いの渦だ。身体を使って笑う。次から次へと繰り広げる表情や遊びや動きが面白い。子どもたちは、役者の身体を通じて自分が表現し、遊んでいる気持になっているに違いない。きっと、子どもたちは、ともだちとやってみたくなり、遊んでみたくなり、家に帰って話したくなるに違いない。

お芝居をみることは、ミラーニューロンが動くこと。見るだけで映像とは違って実体験となる。役者とおなじ脳の動きになるといわれる。同じ動きを体のなかにきざんでいく。遊びがない子どもたちに遊びの世界を広げる意味でもおおきい。

こんな人と人とが作り出す紡ぎだす文化芸術をシャワーのように、子ども時代に浴びさせて喜びと楽しみの子ども時代を過ごさせたい。それは、きっと百才まできっと喜びと楽しみの人生の過ごし方につながるに違いない。身体を動かすことが大事なように、心をいつまでも動かし感動する人生に!

藤 瑛のつぶやき

鹿児島県子ども劇場協議会

子どもに夢を!たくましく豊かな創造性を! すべての子どもたちに未来を切り拓く知恵と勇気を! ようこそ! 「子ども劇場があるくらし」へ  子ども劇場では、年齢に応じた様々なジャンルの舞台鑑賞を中心に地域で「自然・あそび・アート」体験を重ねています。

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